恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




 何? この状況。

 何でこんなことになってるわけ?

「鴇田さん」

「何でしょう?」

 詰め寄る女。

 退く私。

「あなたですよね?」

「何のこと?」

 まるで刑事に罪を暴かれた犯人のような気持ちだ。

 その刑事役、企画営業部の事務員、江藤さんは険しい顔で問い詰める。

「渋谷で北川さんを呼びつけたの、鴇田さんですよね?」

 あっ……。

 あの日、大輔が約束していたのって

 江藤さんだったんだ……。

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