恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「あ、アハハ……そんなことも、あった、かな」

「ごまかさないでください! 私、やっと、やっと……北川さんと約束できたのに。アピールできるチャンスだったのにっ」

 も、申し訳ない。

 非常ーに申し訳ない。

「お二人は、別れたんですよね?」

「はい……別れましたとも」

「じゃあ、どうして?」

 どうしてと言われても、わからないのよ。

「北川くんに聞いてください……」

 私だって、どうしてあいつが無茶苦茶な呼び出しに応じたのか、

 知りたいのよ。

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