恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「もういい、別れる!」

 こんなんじゃ憧れていた恋愛はできないと腹をくくって、

 その場で別れを告げた。

「はぁ? ちょっと待てよ。俺、何かした?」

 大輔は焦った顔で聞いてきた。

 女心を踏みにじったのよ。

 あの時の私は、オフィスでも私を放してくれないほどの愛情が欲しかった。

「もういい! あんたを知れば知るほど、私の胸キュンが消えていく!」

「はぁ?」

「じゃあねっ!」

 思えば、酷い振り方したなぁ……。

 今更反省したところで、遅いのはわかっているけれど。

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