恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
この日の帰り道、何となく買い物でもしたくなって表参道へと降り立った。
フラフラと見回ってみたけど目ぼしいものは見つからず、
このままカフェで軽くご飯でも食べて帰ろうかなというときだった。
「ゆめ?」
と呼ばれて振り返ると……
「ま、雅彦……」
そこに立っていたのは、
つい1ヶ月ちょっと前に命辛々逃げ出した
リアルドSの雅彦だった。
雅彦はニヤリと笑みを浮かべて
「やっと見付けた」
と私の腕を痛いほどの力で掴んだ。