恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
ドキドキしながらベッドに入ると、
隣に大輔も寝転んだ。
「嫌じゃなかったの?」
「嫌なわけないだろ」
「あっそ」
後頭部のタンコブがちょっとだけ痛むけど、
締め付けられる胸に比べれば小さな痛みだ。
「おやすみ、ゆめ」
そう言われると、抱きつきたくなった。
ぐっと堪えて、
「おやすみ」
と返す。
この時には雅彦との一件なんて、大輔への気持ちのせいで
ほとんど忘れてしまっていた。