恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「梨香」

「なに?」

「現実って厳しいね」

 梨香はハハッと笑い、

「やっと気付いたの?」

 と私の腕をつついた。

 圧倒的な美女オーラを放つ梨香からは、

 ギャップを演出するような甘い香水の香りがした。

 薄すぎず、キツすぎない、

 心地いい秋のような香りがした。



「お待たせー」

 梨香が手を降ると、

 店内で待っていた男たちが色めき立つ。

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