恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 なんて言って笑っているが、

 梨香は子供ができるまで仕事を続けるつもりらしい。

 お互いにからかい合って笑っていると、

 シャラララ……と新たな来客の知らせが鳴った。

「いらっしゃいませ」

 という健吾の声。

「あ、どうも」

 入ってきたのは大輔だった。

「何でここに来たのよ」

「どうせここにいると思って」

「どうせって何よ」

「実際いたじゃねーかよ」

 付き合うようになってから、大輔は度々この店に来るようになってしまったのだ。

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