恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 そして、

「みんな、注目」

 声を張り上げたのは、

 一際背が高くて品のある男性だった。

「今日からこの部署に配属になった、鴇田ゆめさんだ」

 周りのみんなから拍手をもらった。

「この部署の部長だ、よろしく」

 大きくて厚みのある手を差し出される。

 温かいその手を握ると、

 グッと引っ張られ、そのままスーツの胸に抱きとめられた。

「やっと君をこの部署に呼べたんだ。もう離さない……」



 という夢を見た。

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