恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




 美しき親友、梨香が笑う。

「あーはっはっはっ」

 私はムスッとしたまま、グラスに残ったカクテルを流し込んだ。

「そんなに笑わないでよ」

「だって、あんなに期待してた上司がオバサンだなんて……ねぇ、健吾」

 別の客の飲み物を作っていた健吾が

 笑いをこらえているのかわかった。

 私はショックを受けてるんだから、

 そこまで笑わないでよ。



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