恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 それにしても、痛いなぁ。

 湿布を貼って、その上から再びストッキングを履く。

 そのままピンヒールの靴を履くと、

 痛くて歩けない。

 私は仕方なく、

 靴を手に持って歩き出した。

 ぽてっぽてっと、

 心地の悪いリズムを刻みながら。

 これからどうしよう。

 出費だけど、今日はタクシーで帰るしかない。

 会議室の扉を開くと、

「終わったのか?」

 大輔がいた。

「終わりましたよ」

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