恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 詰め寄る私に、梨香はたじたじだ。

 そんな私たちを、健吾はクスクス笑いながら見ていた。

「だって、ゆめに言ったらショック受けるでしょ?」

 確かにショックだったけども。

 梨香の視線が健吾に向いた。

 私も自然と彼を見てしまう。

 健吾はさっき運ばれてきた氷を、

 冷凍庫の中に詰めている。

「ていうか、今まで気付かなかったのが不思議でしょうがないよなぁ」

「あたしもそう思ってたとこよ」

 何よ、この二人。

「もう10年くらいになるよな」

「そうね、そんなもんかしら」

 えええぇぇ?

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