うなうな
視線が絡み合う。
困惑顔の文人を顔を、もっと崩してみたくなった。
「どうしたん……っ」
顔を引き寄せて口づける。
驚きに見開かれる文人の瞳。
唇を離すと、少し怒ったような顔だった。
「彰彦…お前っ」
「しっ…誰も見てないから」
何か言いかける唇をまた塞ぐ。
舌先でノックすると唇が薄く開いた。
絡み合う甘い舌。
こぼれる吐息。
潤む瞳。
暫くして交わりを解く。
互いの舌先から銀糸が伸びて、切れる。
文人の顔はほんのりと上気していた。
何食わぬ顔で俺が席に着いても、その場から動かない文人。
「文人君。席、座らないと」
俺が腕を軽く引っ張るとのろのろと動き出した。