恋の歌
不審な人。






私はどう切り抜けるか考えていた。







「俺ずっと吉川さんのファンでさ。」


「は?」


「男にモテる男嫌い。」






ニッと笑う顔が何だか可愛い。






って違うでしょ私。







私は目を逸らしベンチに座った。







末廣先輩は私の隣に座った。







「俺家庭教師してて、今その帰りなんだ。」







どうでもいい。






「俺W大にいるんだ。愛瑠ちゃんはどこの大学行くか決めてんの?」






耳がピクッとなる。






「末廣先輩、W大行ってんですか!?」







思わず縋る想いで末廣先輩を見た。
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