恋の歌
怒ってやりたいのに声が出ない。






もう一度私の携帯が鳴る。







「何だよ。…あぁ?お前誰だよ。…俺は彼氏だけど?……さぁ。もう帰らねぇんじゃね?」






最後に大きな声で笑って電話を切る愁と言う男。






今度は電源まで落とした。






「たく。邪魔。」






そう言って携帯を放り投げた。







ガシャっと床に落ちる携帯。






「さて。脱いでもらいますか。」


「っ…。」


「それとも俺が脱がしてやろうか?」






愁という男が私のブラウスのボタンに手をかけたとき、バンという大きな音がした。
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