恋の歌
「え?」






そんなこと言ってる場合じゃないのに。







「あぁ‥いてぇ‥。」






顔をしかめるアイツ。






唇は切れて血を流している。






でも春樹の怪我より、愁という男の方がひどい怪我だ。







「大丈夫?」


「これくらいどってことねぇって。それより帰るぞ。」


「うん。」






アイツは自分で立ち上がり、私の手を引いた。








外に出たときにはすでに暗くなっていた。
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