恋の歌
「愛瑠、さっきの話だけど「聞きたくない。」


「…。」






春樹はゆっくり振り返った。






私は春樹の前に立ち、見上げた。





「ただ、私のそばにいて?」


「‥愛瑠。」






春樹は私を優しく抱き寄せ、キスをしてくれた。







過去のことは気になるけど、聞いたところで私に得られるものなんてない。








私は、今の春樹に恋をした。







「春樹、私は春樹が好きだから。」


「フッ。珍しく素直。」





そう言っておでこにキスをした。






春樹は、まだ保健医の先生が好きだったのかもしれない。







だからあんなに機嫌が悪くなったのかもしれない。
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