恋の歌
しばらくするとお母さんが上がってきた。






「愛瑠、冷えピタしなさい。それと薬「イヤ。」


「イヤじゃないの薬飲まなきゃ治らないでしょ。」


「飲んじゃダメなんだって!」


「そんなことない。じゃあ病院に行きましょ。それならいいで「イヤ!」


「愛瑠!わがまま言わないの!」


「病気なんかじゃないんだって!」


「じゃあ何なの!」


「妊娠してるの!」


「っ‥愛瑠、今何て言ったの‥?」






お母さんは目を泳がせた。





「愛瑠、冗談はよしなさい。お母さんこれから仕事なの。困らせないで。」


「本当。」





私は鞄からエコー写真を取り出し、お母さんに見せた。






「っ‥愛瑠?」






私は目を合わさなかった。






お母さんの体が震えてるのがわかったから。
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