恋の歌
私は何話して、何をしたか全く覚えていないのだ。






友菜と教室を出ようとしたとき、友菜が言った。








「倖田くんにはお礼言ったの?」


「…。」







私の動きがピタッと止まる。







「言ってないの?」







コクンと頷く私に友菜は大きなため息をついた。







「ダメじゃん、言わなきゃ。今から言ってきなさい。まだ学校いるっしょ。」


「えー。」


「エーじゃない!」


「‥はい。」







私は渋々教室を後にした。
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