恋の歌
私は俯き、涙を拭った。






「おい?」






いつもは冷めた言い方なのに、今はすごく優しい声で聞く転校生。








「…ない。」


「ん?」


「あなたには関係のないことだからっ‥。」








私は走った。








転校生は追ってくることはなかった。







理由?






そんなの私にもわからない。








ううん、本当はわかってる。







ただ‥わかりたくないだけ。
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