ストレートラブ
姉ちゃん?夏生の弟くんかな?そう思っていると、後ろの人影に気づいた。
「わぁっ!!」
途端にあたしの目はハートマークになった。な、なんと男のコの後ろに…愛しの山下くんがいたのだっ!
「山下くんだぁっ!!」
「………」
あたしの姿を見て少しだけ驚いた山下くんに飛びつこうとしたが、
「はい、ストップー。山下くんを襲わない」
夏生に制御された。ちぇっ、目の前に大好きな山下くんがいるのに近づけないなんて。
「で、どうしたの?里津(リツ)」
「あ、うん。英語の辞書、貸してほしいんだけど」
「あぁ、待ってて」
再び教室に入った夏生。その間もあたしは山下くんに釘付けになっていた。