ストレートラブ
過去の王子サマ





「……てなわけで山下くんの優しさが見られたわけなの!ねっ、超キュンキュンしちゃうでしょ!?」



「特に何も」



「そう言って~夏生ったら、あたしとライバルになるのが怖いんじゃないの?」



「一生あり得ないからご安心を」



いつもと変わらない素っ気なさを見せる夏生。夏生もあの場にいたら絶対に山下くんにノックアウトだったはずよ!



「でもさ、あんたもよくやるよね」



「ん?何が?」



「山下くんの追っかけ」



「恋すると女のコは変わっちゃうんだよ?あたしは山下くんという人を見た瞬間に何かを感じたの!だから何があっても山下くんから拒否られない限り、追い続けるの!」



「もう拒否られてると思うけど」



「チッチッチ!本気の拒否じゃないからまだカウントされないの!」



「………基準がわからないよ」




夏生は軽くため息をつくけど、あたしの心は昨日の山下くんの優しさに痺れていた。





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