ストレートラブ
「………そ」
だが、山下くんの反応はそれだけだった。えぇ!?
「山下くん、あたし山下くんが好きなんだよ?」
「ん」
「山下くんはあたしのこと好き?てゆうか、あたしの名前知ってるかなっ?」
「全く」
ガビーン。夏生の予想は大当たりだった。じゃあじゃあ…これくらいは!
「か…顔は覚えてる?」
「全然」
毎日会いに行ってるのに、顔認識さえも危うい!?いやぁっ。
「沙良さん、コイツ近くに来ないと顔わかんないんスよ。視力悪いらしくて」
「そ…だったんだ」
確かに、今まであたしは窓越しで手を振ったり、遠いところから山下くんの名前を呼んでいた。
それって、全部無駄だったの?