ストレートラブ
やっぱり、自分の恋の成就を願うだけじゃなくて、好きだった人の恋の応援もしたくなるじゃん?
「涼山くん、会う相手間違えたんだよ。ほら、今からでも行くべきだよ!」
「だ、大丈夫かな?」
「そんなの知ったこっちゃないわよ!でも、好きな人と両想いになったんでしょ?距離置いてる時間が勿体ないと思わないの?」
「滝沢……おう。俺、行ってくる!ありがとう!不謹慎かもしれないけど、昨日お前に会えてよかった!俺もお前のことちょっと好きだったぞー!」
ちょっとって……それ、笑えるんだから。
「もう!今回あたしに好きな人がいてよかったよ!勘違いするところだったんだからね!もう同じ過ちは犯さないでよ!」
おう!と手をあげた涼山くん。その爽やかさが一番だよ。
「アンタたちってよくわからないよ」
「あ、夏生!待っててくれたの?」
「終始見させてもらった。青春映画かってね」
ふっと笑う夏生の横顔を見て、あたしも笑みをこぼした。