ストレートラブ
「男って誰?」
あたしは山下くんとお父さんくらいしか、男と認識してないんだけど?
「……分からないならいい」
「ヤダ!知りたいから教えてよ!」
少し面倒臭そうな顔をして、『あの人だよ』と言って視線を逸らした山下くん。
「あの人?」
「他校の人でアンタが会ってた人」
「他校……会ってた……?」
そんな人いるわけ……あ!いた!
「もしかして涼山くんのこと!?」
「名前は知らねーけど」
「やだなぁ~涼山くんは彼氏じゃないよ!でもあたしのことを好きって告白されちゃったな~。あれ?でも、彼女がいてあたしへの告白は一時の心の揺れだったっけ?」
とりあえず何ともないよ♪と付け加えて、山下くんを見た。
「あ、そう」
それでもいつもと変わらず返事をした山下くんだった。