ストレートラブ
いつものごとく、言葉でザックリと斬られる。はぁ~山下くん、あなたを落とせる方法を知りたいよ~。
「…………正面玄関」
「え?」
「1分後に荷物持って集合」
「そ、それって……」
「言っとくけど、今日だけだから」
うん!と頷いてダッシュで教室へ向かったあたし。そして、心の中はパラダイス!
嘘でしょ嘘でしょ~!?山下くんと一緒に帰れるんだよね!?やばいよ~!!
ニヤけ顔を抑えながら、教科書を素早く鞄に詰め込み、忘れ物がないかチェックをして正面玄関へ向かう。
そこには夢にまでみた、あたしを待つマイダーリンの姿。
「……遅い」
「嘘!?超ダッシュしてきたのに~」
「あっそ。帰るぞ」
でもね、その不機嫌そうなお顔も好きなの。あたしの心をくすぐるの!それにビデオカメラ持ってくればよかったよ。この時を撮りたかった!
「早く」
「は~い!」
あたしは少し前を歩く山下くんを追いかけた。