ストレートラブ
笑った王子サマ
月曜日の朝。
「おはよ~なっつき~!!!」
「嫌。もう聞きたくないから」
「まだ何も言ってないのに~」
「どーせ、『山下くんから気をつけて帰れよって言われたの~』でしょ。土日何度聞かされたと思ってんの。もう聞きたくないわよ」
もう話すな!という目であたしを見る夏生。まぁ図星なんだけど、ていうかあたしのモノマネ上手い気がする!
「夏生、山下くんのモノマネもして!」
「嫌よ。アンタがすればいいじゃない」
「自分でしたら見れないじゃ~ん!」
というあたしの可愛いおねだりにも目をくれず、断固拒否して教室へ向かう夏生。あたしも慌てて靴を履き替えて後を追った。
「それよりさ!金曜日山下くんが来たでしょ?」
「あー来てたね」
「山下くん、里津くんとどんな会話してたの?」
「……ねぇ沙良、あたしは弟と弟の友達の会話を盗み聞きする趣味はないの。アンタと一緒にしないで」
「え~!山下くんに惚れたら絶対したくなるよ?あ!夏生、惚れちゃダメだからね!!!」
「アンタとライバルになる気はさらさらない」
ホッ、一安心。