ストレートラブ





「じゃ夏生!今から山下くんの元へ行ってきまっす~!」



「あー恒例の挨拶運動ね」



「違~う!恋のご、あ、い、さ、つ♪」



「どうでもいいから早く行きな」



そして、夏生から教室を追い出されて30秒後。



「おはよ~!山下く~ん!」



あたしは山下くんの元へたどり着いていた。教室のドアから大きく手を振って挨拶すると、山下くんが……睨みながらあたしを見た。これが山下くんの挨拶の印なの♪



「あっ!沙良さん、おはようございま~す」



「里津くんおはよ!金曜日はよくもあたしの山下くんを独り占めしてくれたわね~」



「ははっ、悪いっす」



「反省しているならよろしい!山下くん、今日も1日頑張ろうね~♪」



里津くんと話していても、脳内は山下くんのことしか考えていない。



「……チャイム鳴るぞ」



時計を見るとかなりギリギリの時間。名残惜しくも山下くんに愛を送って、自分の教室へ向かった。





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