ストレートラブ





「ん~いい香り」



夏生の部屋に入ると、ほどよい甘い香りがあたしの鼻をかすめた。



「でしょ?この香り好きなの」



すると、背後に麦茶が入ったコップを2つ持った夏生が答えた。



「夏生が女子らしくなってる!これも彼氏の……誰だっけ?ま、まぁ!彼氏のおかげかな♪」



「だーから山城くんね。彼氏の影響っていうか、アンタの影響?」



「あたし?」



夏生がコップをテーブルに置いてドアを閉める。そんな夏生を目で追う。



「そう。アンタ」



「あたし香りついて何も知らないよ?山下くんの匂いは好きだけどね!」



「……変態」



呆れながら、麦茶を飲む夏生。





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