ストレートラブ





「でもね、そんなアンタ見てたらさ、恋すんのいいなって思ったの」



どうしよう。今、あたし……夏生から最高の褒め言葉をもらってる。



「ストーカー並に山下くんが好きで変態でバカな沙良を見て、最初は恋の何が楽しいのよって思ってた」



あの~夏生さん。思ってたじゃなくて現に何度も貶されて来ましたけど?



「だけど、あたしにも気づいたら気になる人が出来てて、これが恋なのか、これが沙良がいう恋の楽しさなのかって気づかされた」



「夏生……」



「だから、その……香りから女子らしく行こうと思って。部屋はお母さんの趣味で無理に可愛くなってるけど、香りから……ね。って、ワケわかんないね」



「ワケわかる!夏生……夏生ぃ~!」



「ちょっ、沙良!?」



あたしは夏生にダイブしていた。何も考えずに、夏生に飛びついていた。





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