ストレートラブ

「ごめんねっ……ごめんねぇ～！」



「急に何。何謝ってんの？」



「だってあたしぃ～……」



夏生の恋に何も協力できなかったじゃん。相談にのることも、アドバイスも何も出来なかったじゃん。そう思うと泣けてきた。



「だからさっきも言ったでしょ。あたしが言わなかっただけ」



「だけど～……」



「アンタはバカみたいに山下くんに正面から突進していればいいの。そんなアンタがいたから、あたしは今彼氏がいるんだから」



「バカ夏生！余計泣かさないでよ～うわぁぁ～ん！」



夏生、あたしが泣くのは今まで夏生の恋の応援が出来なかったから。そして、夏生の恋が実って嬉しいからなの。



何もなしに涙は出ないよ。夏生が大切だから泣けてきちゃうんだよ。



「……やれやれ。ブサイクな顔」



「ちょっ、それヒドい！」



「その顔で山下くんに会うつもり？今まで以上に引くよ」



「それだけは勘弁！！！」



あたしは慌てて涙を拭い、いつものスマイリーな顔を呼び戻した。