ストレートラブ





コンコン



「里津くん!山下くんいる?てかいるよね?あたしもう帰るから、少しだけでも顔をみたいなと思って!」



ガチャ



するとドアが開いた。え!?反応早いじゃん!嬉しくてすぐさま覗こうとした。



「え?俺の顔を見てから帰りたいって言いましたか?沙良さんいつの間に俺を……」



「ごめん!里津くんじゃないの!山下くん以外は眼中にないの!それに心変わりしないもんねっ!」



「そんなに否定しなくてもいいじゃないっすか~。おい、紘樹っ」



んだよ、と気だるそうな山下くんの声が聞こえても、あたしの胸はドキドキ高鳴ってる。そして、山下くんがドアから顔を覗かせた。



「何」



「あたし今日はもう帰るの!だけど、寂しがらずに里津くんと遊んでね!」



「……寂しがる理由がない」



「そうだよね。この場で寂しいなんて言えないもんね!いいよ、あたしは解ってるから!」



「はっ、分かってないっしょ」



毎度毎度のあたしの返事に、呆れたのかもしれない。でもね?



今、山下くんが笑ったの。



滅多に見れない笑顔。左頬にえくぼが出来て、少しだけ目尻が下がって。



やばい、激カワ!!!




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