ストレートラブ
って……この声って幻聴じゃないよね!?
「やっ、山下くん!?」
「……俺だけど」
なんとなんと!後ろに山下くんがいた。あたしは口から飛び出しそうな心臓を抑えて、目をパチクリさせた。
「コレ忘れもんって」
山下くんの手元にあったのは、たくさんのお菓子が入った袋。もしかして、山下くん……あたしのために!?
「誤解しないで。里津が無理矢理、持って行けって言うから」
淡い期待くらいさせてよね~もう!でも、里津くんのおかげで山下くんといる時間が増えちゃったな。ニヤニヤしながらお菓子を受け取る。
「山下くん、1コいる?」
「いや、いい」
「じゃあこのまま一緒に帰ろう!」
「あー今度」
「え!?」
ちょ、ちょっと待って!
「今なんて言った!?」
「だから今度」
「今度一緒に帰ってくれるの!?」
「毎回ウザイから」
「それでも嬉しい!楽しみにしてるねっ!」
何かが変わってる。
山下くんが話してくれたり、少しだけど笑ってくれたり。
ねぇ、山下くん。このままじゃ本当に期待しちゃうよ。