ストレートラブ
私服の王子サマ
「え!?今なんて!?」
「だーから、明日から夏休みだねって話」
「夏休みなんて……夏休みなんて来なくていいよ~。夏休みが来たら、山下くんにアタック出来なくなっちゃうじゃん!」
皆さん、重大なお知らせがあります。なんと、明日から夏休みらしいのです。山下くんに会えなくなっちゃうのです。
「校長先生に抗議してこようかな?しばらく夏休みは要りませんって!」
「アンタ中心で動いてんじゃないから、学校は」
せっかく……山下くんとの距離が縮まりつつあるのに、夏休みのブランクがあると、距離が遠のいちゃうよ。
「夏生!お願いだから、山下くんが家に来る時は連絡してね!」
「無理ね。バイトするから」
話によれば、駅前のコンビニでバイトをするらしい夏生。
「じゃあ、誰が山下くんとあたしの恋のキューピッドになってくれるのさ~」
「はぁ。出来る限り連絡はするよ」
「ありがとう!夏生大好きっ」
喜びのハグをしようとしたけど、素早くよけた夏生。やるな、お主。
「それは置いといて、沙良はバイトしないの?」
「夏休みを忘れてたくらいだよ?決めてないよ~」
山下くんとの時間しか考えてなかったし!