ストレートラブ
「コンビニで一緒にする?」
「山下くんと会う時間が減っちゃうもん」
「まだ予定も立ってないのにね」
夏生のヤツ!これからバンバン予定入れてやるんだからね!今に見てなさい!
─────☆
「……え?」
「だからね、溝田さんから沙良にバイトしてもらえないかってお願いされて、オッケーしちゃったから♪」
夕方、学校から帰るなり、お母さんからの爆弾発言。な、なんということでしょう。いつの間にか、あたしがバイトすることが決まっていたのだ!
「な、なんで勝手にオッケーするの~!?」
「だって夏休み暇でしょ?それとも、バイトしないで1日中塾にでも行く?」
娘にも選ぶ権利はあるのにぃ!あたしが塾を選ぶわけないじゃん!
「もしかして明日からバイト?そんなの嫌だよ!いくらなんでも急過ぎる!」
「そういうと思って、お盆前からお盆明けまでにしてもらったわ!お弁当屋さんだから、その時期が1番忙しいみたいなの。たったの1週間だから頑張ってね♪」
母よ、娘の気持ちを一言聞いてから、バイトの件を引き受けて欲しかったよ。
『マジ?沙良のお母さん最高だね』
その日の夜、急遽決まったバイトのことを夏生との電話で話すと、夏生が珍しくケラケラ笑っていた。