ストレートラブ
「唐揚げ弁当5、チキン南蛮弁当3、注文入りました!急ぎですので、テキパキと動いてくださーい」
はい!の返事と共にみんなが目の色を変えて動き始めた。あたしもその波にのって、洗い物を開始。
容器を並べて、野菜に唐揚げにと容器につめていく。そして、じわじわと厨房に食欲をそそる匂いが広がる。
お腹が空いたなぁなんて思っていると、垣根さんがニヤニヤしながらあたしに近づいてきた。それはエサをくれる合図。バイトしててこのやり取りを何度したことか。
「唐揚げおいひ~ですっ」
「ヨダレ垂らさないでよ?」
垣根さんとのこの時間も少しずつ、楽しいなって思えてきた。お母さんより少し上の歳だけど、仕事の事や恋愛のことまで話せるのってなんかいいな。
「唐揚げ、チキン南蛮出来ました!」
あっという間に出来上がった注文の品。みんなの長い間積み重ねたチームワークが、目に見えて分かる。
「次、注文入りましたー!」
そしてまた、お弁当を作っていく。この繰り返しが今日もまた続いていく。
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「やっほ」
「嘘!夏生!?」
バイトが終わって外に出ると、電柱の下に立つ夏生がいた。