ストレートラブ





「あ、山下くんとは?」



「もう聞いてよ~!山下くんにね、なかなか会えないの!会おうとしてもタイミングのズレがあるっていうか!」



「夏休み前と変化無しってことね」



「い~や!夏休み前よりも、距離が遠くなってる気がするの。やっぱりバイト先に可愛い女の子がいるのかな!?」



「パン屋に行ってみたの?」



「一度行ってみたら、バイト休みだった~」



「あら、どんまいだね」



バイト1日目は山下くんと里津くんに会って、2日目に会いに行ったら山下くんは休みで、3日目の昨日は山下くんはもう帰ってて、今日はこの通り夏生と共にいて、山下くんを見ていない。あ!見ていない!?



「夏生!今日山下くん見てないよ~」



「さっきすれ違ったから、きっともうバイト終わったのね」



「え!?会ったの!?引き止めててよ~!」



「だって会釈程度だったし、用なかったし」



山下くんと会うなんて……一瞬でもずるい。あたしなんて、向かいにいるのになかなか会えないんだから!



「そんな落ち込まないでよ」



「だって~」



「明後日花火大会じゃん。沙良の好きないか焼きもあるし、元気だしなよ」



今、なんと!?




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