ストレートラブ
「花火大会って言ったよね?明後日花火大会なの!?」
「その様子じゃ忘れてたみたいね。明後日、バイト?」
「うん。その日がバイト最終日で、いつもより1時間遅くまで残れるって言っちゃった」
そうか。だから明後日は、お弁当の注文が多かったのか。店長に残れるか聞かれて、容易く頷いた自分を悔やんだ。
「ってちょっと待って。山下くんと花火行けないじゃん!?」
「そうなるね。ちなみにあたしは、沙良が行かないなら山城くんと行くわ。リア充なもんで」
夏生をキッと睨む。
「里津くんに言ってて。山下くんを人ごみに連れていかないでって!」
「なんで?」
「だって、アブナイお姉さん達に食べられちゃったら大変だよ!許せない!」
「沙良も十分危ないけどね」
山下くんを汚すわけにいかない!ていうか、他の女と花火を楽しむ姿なんて見たくない!聞きたくない!知りたくない!
「花火大会行きたかった~……」
「沙良のバイト先の近くの橋から見るのが、絶景の場所よ。バイト終わりに見てみな」
「気が向いたらね~」
テンション落ち気味で、いい情報を得ても喜べないよ、ふんっ。