ストレートラブ





でもね、山下くん。今言った言葉、冗談じゃないんだよ。ううん、今だけじゃない。ずっと、全力で山下くんにアタックしてるんだよ。



本気でぶつかってるつもりだけど、まだダメなのかな?



「…………あのさ」



「うん!何!?」



「……れ」



ドンッ



グッドタイミングで花火の音に邪魔をされたおかげで、山下くんの言葉が聞こえなかった。



「え?何?聞こえなかっ……」



「バイト今日まででしょ。お疲れ」



神様、あたしは今日死ぬのでしょうか。山下くんがこんなにも一緒にいてくれて、いつもより優しくて……あぁ、もう神様大好きです。山下くんの次らへんに。



「山下くんがそんなにあたしのことを、知り尽くしてくれてたなんて……」



「勘違いすんな、コレ見ろ」



そう言った山下くんから見せられたケータイの画面。



──【沙良さん、今日でバイト終わりだって!】


──【お疲れくらい言うだろ?言うよな?てか言え!姉ちゃんも言ってるんだ!】



と、そのようなメールが里津くんから何件も来ていたらしい。夏生までそんなこと言ってくれて嬉しいよ。



「山下くんの意思で聞きたかったのが本音かも~」



「バイトが終わりって知らなかったし」



そうだけどさ~!




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