ストレートラブ





「山下くんはいつまでなの?」



今のことを気にしながら聞いてみた。



「あと2週間。あ、迷惑だから来ないで」



だけど、しっかり釘をさされてしまった。



「山下くんのバイト姿見たいのに~。ねぇ、いいでしょ?あたしの高2のサマーバケーション、一生に一度しかないのにぃ~!!」



それに、今日を終えたら2学期まで、山下くんに会えないってことになっちゃうじゃん。そんなの嫌だ!維持でも会いに行ってやる!夏生ん家に!



「…………1回だけ」



「え?」



「1回だけならいい。でも、それ以上来るのはナシだ」



やっぱり、今日の山下くんは違う。夏の山下くんは一段と違う!!



「行く!1回だけ行きます!明日にでも行きます!」



「明日定休日だから」



「じゃあ、その次に行く!」



山下くんのバイト姿が見れる!初めての山下くんの……あぁ、考えただけで鼻血出そう。



「花火終わった。帰る」



「もちろん送って……」



「じゃ」



残念ながらお別れのハグは出来ず、そして送ってももらえなかった。だけど、ちゃっかりゴミを持って帰ってくれてる。なんて、優男♪



「アイラブユー!」



山下くんの背中に叫んだ愛は、夜空が優しく包み込んだのだった。





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