ストレートラブ
困惑の王子サマ
「お母さ~ん!どう?この髪型キマってる?」
「いいけど、寝癖?」
「違う~!ちょっと巻いたのに!」
皆さん、おはようございます!今日から長い夏休みも終わり、新学期が始まります!山下くんに会いまくりです♪
「いってきま~す!」
勢い良く玄関のドアを閉め、学校へ向かった。空は青。いい天気だし、今日もいい1日になりそうだ!
「久しぶりー!夏休みどうだった?」
「家族で旅行に行ったの!はい、お土産♪」
学校に着き、教室に入ると、クラスメイトは夏休みの話に花を咲かせていた。
「よし!恒例の挨拶に……」
「山下くんのところ?」
背後から声をかけてきたのは、夏生だった。
「もちろん!愛しのダーリンの元へ飛んで行かなきゃ、浮気してたら大変だもん!」
「いつダーリンになったんだか」
行ってきな、と言い残して教室に入った夏生。あたしは一目散に山下くんのクラスを目指した。
「山下くん来てる~!?」
窓から教室を覗き込んで見渡すが、山下くんの姿は見当たらない。まだ来てないのかな?
「またあの人だ」
「山下くんの追っかけの人だよね?」
コソコソ聞こえる会話なんて無視だ!