ストレートラブ
「ちょっ、走って大丈夫なわけ?」
「今なら無敵!何も怖くないもんね!」
山下くんのことを全力で追いかける。これほど楽しいことはない!
「ていうか、今から何があるの?」
「あぁ、応援合戦よ。多分、赤団からだと思うけど」
夏生が話している途中で、応援団入場の放送が流れた。観客は期待の声にあふれる。あたしもすぐさまデジタルをセットした。
「あっ!山下くん!」
赤団の中にいる山下くんを発見!服装は、朝の応援合戦と同じで学ランなんだけど、前髪を立てていた。
何あれ。げ、激カッコ良いんだけど!ワイルドなんだけど!!!もうあたしの心臓は大盛り上がり!
「沙良、落ち着いて。学ランはさっきも見たでしょ」
「いや!何度見てもコーフンする!それに髪型が違うじゃん!もう写真撮ってて~!」
デジカメを夏生に託して、あたしは食い入るように山下くんを見つめた。
最初に朝と同じく空手と合気道の応援をして、それからダンスという流れだった。
ダンスではサングラスをかけて、みんな踊り出した。山下くんの顔が隠れてショックだけど、踊る山下くん……カッコ良すぎ!
「キャ~!山下く~ん!」
そして、ついに我慢できずに立ち上がって山下くんコール開始!