ストレートラブ





「あたしだって!三津く~ん!」



「小金沢くんこっち見て~!」



すると、周りの女子達も立ち上がって、意中の人の名を叫び出した。



「……なんじゃこりゃ」



あたしの代わりに、デジカメで山下くんを撮る夏生は、ゲッソリしていたみたいだ。



みんな恋する乙女だもん。好きな人に、好きな想いを伝えたいのは当然!そして、好きな人に見てもらいたいもの!



「山下くん、こっち来て~!」



今もダンスの最中だが、来賓の方が多い本部の方に披露中だから、生徒のテントからは距離が遠いのだ。早く来い~!そう念じていた時、生徒のテントの方へも来だした。



「やった!夏生!ベストショット任せるからね!ブレないで静止画像でお願いね!」



「無理。ブレるに決まってる」



「キャ~!こっち来て~!!」



夏生の返事を聞かずに、どんどん近くに来る山下くんに視線はク・ギ・ヅ・ケ♪そしてついに目の前に来た!が、すぐに通り去ってしまった!?



「ちょっ、山下くん早いよ!?」



「っさい」



「それに、あたしハイタッチしてないよ!?ほら、ハンド!ハンドプリーズ!」





< 216 / 332 >

この作品をシェア

pagetop