ストレートラブ





「…………つ、疲れた」



閉会式後、やつれた顔で夏生が言った。あはは、あれだけ悲鳴をあげながら、鼻血を出すあたしの隣にいれば疲れましたよね~。



「お、お世話になりました」



「本当よ。老けたわ」



「そう見える!」



「ちょっと、沙良?」



「はいはい、嘘で~す♪」



てへ、夏生から軽くゲンコツをくらっちゃった★



「それより、ちゃんと撮れてるか、デジカメ見てみな」



「うん!また鼻血出ちゃいそうだけどね!」



「じゃあ、まだ見なくていいよ」



「ダメ!見るもんっ」



そして、デジカメにおさめられた写真達を見ていく。うわぁ~山下くんがたくさん♪あっ、これカッコイイ!これも!これも!



「夏生、いい腕してる!静止画像たくさんあるね!」



「タイミング狙ったからね」



少しだけ鼻の下を伸ばす夏生も新鮮だ。



「満足した?」



「とっても!」



「あれを見ても?」



そう言った夏生が指さしたのは、体育服姿だったハズが、いつの間にか学ラン姿になっていた山下くんだった。



「って、え!?学ラン!?」





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