ストレートラブ
その光景を見て、あたしがのんびりしていられるわけが無い!
「夏生、行こう!山下くんとのツーショット狙うから!」
「は?今から片付け……」
「んなのあとであたしがするから!」
夏生をグイグイ引っ張って、山下くんのところへ直行!朝もこんなことがあったような?でも、もう綾ガキはお塾に行ってるから、邪魔者はいないね!
「山下くん、あたしと撮ろう!」
「ダメ!山下くんこっち向いて~」
邪魔者はいないはずが、なぜかシャッターを切る女子が多かった。
「な、なんで~!?」
「あら、今日活躍してたもんね。そりゃ、人気も出るな」
みんなに山下くんのカッコイイところを知ってもらえたのは嬉しいけど、これじゃあ山下くんに近づけないよ~!
「順番を待つとするか」
「はぁっ。今日だけは割り込まないことにしよ」
なぜか、山下くんの近くには列ができていて、順番待ちをする女子が数人いた。その後ろに並ぶことに。
「そういえば、保健室で傷の手当てしてたけど、徒競走で山下くんコケたんでしょ?」
「あぁ、うん。男子の選抜の徒競走で、先輩とかと一緒に走って、カーブのところで押されたみたい」