ストレートラブ





「はい、次は滝沢」



「……」



「滝沢!」



「はいい!」



授業中、良い夢見心地だったあたしを起こしたのは、先生♡



「寝てたのか?あ?寝てたな?」



「睡眠時間を削って家の方で勉強をしていたもので。だから、学校で寝させて……」



「バカもん!勉強をするのはいいことだが、今は寝る時間ではない」



「夢見る時間ならいいんですか?」



「滝沢……」



「嘘です!前言撤回です!起きときます!」



いやぁ、危ない危ない!つい口が滑っちゃったよ。ギリギリ居残りを回避できた!



「滝沢、授業が終わったら俺のところに来なさい」



い、居残りは回避できたものの。休み時間が犠牲になってしまった。おかげでみんなの笑いものにもなったし。そしてあたしは拗ねたまま、授業を終えた。



「滝沢お前な、授業態度が悪過ぎる。もう少しどうにかならんかね?」



「今は無理ですね。愛の勝負に挑んでるんで!」



「コラ、お前のことを心配して言ってるんだ。内申点にも響くんだぞ?切り替えってのをきちんとすべきだ。いいな」



はい、と返事をしたら先生は、何かをブツブツ呟きながら歩いて行った。





< 240 / 332 >

この作品をシェア

pagetop