ストレートラブ
鈍感な王子サマ
「夏生ぃ〜」
「何?超キモいんだけど」
「ぐへへっ。山下きゅんが…」
「誰か重症なこのコを雪山へ連れてって」
山下くんと(沙良曰く)甘い会話をした日から数日が経ったが、あたしの脳内は山下くん一色!
「自己紹介しただけでじゃん」
「名前聞かれたんだよっ?」
「聞いただけで、もう忘れてんじゃない?」
「ノンノン!山下くんはそんな人じゃないもんっ」
「じゃあ確かめてくれば?」
「言われなくても!丁度、山下くんの元へ向かう出勤時間だし!」
「休み時間は短いわよ」
夏生からの警告を右から左へ受け流し、心の準備を調えて山下くんの元へ向かった。
瞬間移動でもしたかのように、あっという間に山下くんの教室に着いた。