ストレートラブ
応える王子サマ





「キャーカッコイイ~!」



「やべぇ、惚れるぞ!」



文化祭2日目。練習を重ねたダンスを披露して、大勢の歓声を浴びたあたし達のクラス。舞台発表は大成功だった。



「楽しかったね~」



「みんなノってくれてよかった!」



舞台から降板しながら、クラスメートは笑顔で言葉を交わす。思わずあたしも、夏生の腕に抱きついた。



「何すんのよ」



「楽しかったね!夏生~」



「はぁっ……ダンス、何度もミスったのは誰よ」



ギクリ。



「な、何のことかな~」



「とぼけないで。集中してないのバレバレだったから」



体育館から出て、クラスメートのみんなに続いて教室へ向かう。身にまとう、ダンスで着たセーラー服が新鮮だ。



「山下くんのこと探してたでしょ」



「な、な、何言ってんのっ。さっ、探すわけないじゃん!」



「思いっきり動揺してるから」



「うっ……」



「バレバレだから」



夏生にはお見通し。その通り、あたしは山下くんの姿を探すので精一杯で、ダンスを何度もミスってしまったのだ。





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