ストレートラブ
そして数分後、出来上がったたこ焼きを2人の元へ運んだ。美味しいねって言うその笑顔が、あたしの胸を熱くさせる。
「これ、さっきの写真です」
食べ終わった頃、パソコン係が必死に仕上げた写真をプレゼント。
「ありがとうございます!楽しかったですっ」
「第1希望がこの高校なので来てみたんですけど、来てよかったです!」
話によると、受験生の2人はここを受験する予定らしい。やったあ!新入生としてまた会えるといいな。
そして、手を振りながらたこカフェを出る2人組を微笑みながら見送っていると、夏生があたしの元へ来た。
「アンタの接客、見てて楽しいよ」
「本当に!?よかった~」
「ていうか、そろそろ受付の時間じゃない?たこ焼きの失敗作の余りがあるから、食べて行きなよ」
「うん!ありがとう!」
受付という単語を聞いて、自分の顔が強ばったのが分かった。ううん、しっかりしなきゃ、あたし!
そして、奥の休憩室でたこ焼きをいただき、たこカフェを後にして受付のところへ急いだ。
怖いけど、不安だけど、山下くんに会いたい。
昨日あんなこと言っちゃったけど、やっぱり山下くんのことを追いかけてる自分がいるんだもん。