ストレートラブ





「……里津くん、やっぱり教えて!」



「いいっすよ」



そう言うとパンフレットを閉じ、あたしの目を見る里津くん。山下くんじゃないことは分かってるけど、変にドキドキする。



「俺がココに来た意味、考えてくださいね」



ニコッと笑ってそう言った。



里津くんがココに来た意味?それって、山下くんが里津くんに受付係を変わってほしいって言った意味?



『アンタがそんなこと言う人だって、思わなかったよ』



そうか。そういう意味じゃん。そのままの意味じゃん。遠まわしに、本当に振られちゃってたんだ。



少しでも期待を持ってしまったあたし……バカみたい。



ピンポンパンポン♪



「告白大会にエントリーされている方は、至急体育館にいる内丸のところに来てください」



タイミング良く、うっちー先輩からの校内放送が流れた。そっか、もう告白大会の時間だ。あたし……エントリーしてるんだった。



「里津くん、ちょっと行ってくる。ココお願いするね」



里津くんの返事を聞かずに、体育館へと駆け足で向かった。



『アンタって本当に変』



不思議と頭の中に山下くんの顔が浮かぶ。





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