ストレートラブ





「紘樹、あの時体育館にいたんすよ。沙良さんに告白されるからって」



え?



「だから、俺は受付係頼まれて、喜んで引き受けたんっす」



どういうこと?山下くんを見るけど、山下くんはすぐさま顔をそらした。な、なぜ!?



「紘樹は、沙良さんの告白に応えるつもりだったんです。そうだよな、ひーろき!」



「…………それ以外に何があんだよ」



「嘘……でしょ?だって、山下くんが……え?本当に」



里津くんが受付係してくれたのって、あの言葉の意味ってそういう意味だったの?



「里津が紛らわしい言い方するからよ」



「どっちに転ぶか見たかったもんで」



夏生と里津くんが言葉を交わす。あたしは夏生の腕の中で、いまだに理解に悩んでいた。



「まだ信じてないわけ?」



山下くんが呆れたように言ってきた。



「だって、夢だったらどうしようって、そればっかり考えて……」



「だから夢じゃねぇよ」



夢じゃない。



幻でもない。



あたし、山下くんの……



「山下くんのお嫁さんになれるんだね!?」



「は?」



未来が約束されたってコトだよね!?





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